専門家やこの分野の理解の深い方ならば,「なーんだ・・・」と思われるかもしれない.でもあまりこのようなことを知らない自分が,その知る過程を克明に書いてみるのも面白いかもしれない,と思って書いてみた.お楽しみあれ.
アルハンブラ宮殿
目的
あくまでも,クラシックギターの技術の向上のため.
コードが分かると,曲を暗譜するときに,コードで覚えることができて,暗譜が楽になるのではないかと思った.
世の中には,「コード進行」という言葉がある.コードが分かると,次に出て来るコードがある程度,予想がつくらしい.このような事が分かると,本当に暗譜が楽になるのではないか,と思った.また,暗譜の保持も格段に良いはずである.
琉球三線からもギターのヒントを得ている.三線(さんしん)は,単音で弾くのである.つまり,コードとかはない.すると,三線の音の流れが分かると(すぐに誰でも分かる),ある程度,弾ける.覚えやすい.音楽さえ頭に入っていれば,細部でミスは出るが,暗譜の保持も悪くないものだ.半音がないから尚の事良い.
ギター的に言うと,単音でローポジションを弾くだけである.しかも半音がない.すると本当に覚えやすいものだ(あくまでもクラシック・ギターに比べたら,という話である).
このようなことをクラシック・ギターで出来ないか,ということである.そのためには,コード,コード進行 その理屈を勉強するのが良い,という結論に達し,始めた.
アルハンブラ宮殿から望むカサブランカの街並
経過
今まで何度か,コードをマスターしようと試みたことはあるが,いずれも失敗に終わった.
コードを覚えるのならフォークソングをやったら良いと思い,そのような本を買ってはみたが,上手く行かない.というか,確かにすぐに弾ける様になるし,歌える様にもなる.しかし,そこで学んだコードの知識が,クラシックギターの演奏に結びつくとは,到底思えなかったのである.
また,本を買って読んでみたこともある.いくら「簡単に分かる・・・」と書いてあっても難しい.すぐに挫折.実はこのような本が家には4−5冊ある.
今回は・・・・
時は 流れた.やはり,YouTubeが力を発揮している.このようなものを親切にも解説しているサイトがいくつもある.それを見ていると,今までに分からなかったことが分かるのは嬉しかった.
いろいろ分かった.
フォークやエレキ,アコースティックをやったことのある人ならだれでもご存知と思うが,例えば,EをEマイナーに変えたり,さらにE7やEマイナー7に変える方法を勉強出来た(図1 図2).
なるほど,sas4や6コードも割とすぐに作れるではないか.
あと平行移動をしたら,調が変わる.
なんとなく聞いたことはあったが,しっかりと教えてもらえれば,しっかりと分かる.
図1 Aコードのバリエーション
図2 Eコードのバリエーション
セビリアの大聖堂
一つの到達点
いろいろやってみて,思ったのは,理屈はある程度理解出来た.しかし,きっと初歩なのだろうと思っている.
しかし,一つの結論.きちんと基本コードを覚えて,それこそ,反射的にどんどん出て来ないと,使い物にはならないだろう.
そして,クラシック・ギターは,ローポジションから,⑫フレットより上,⑭フレットくらいまで,縦横無尽に使用する.
故に,ローポジション,ミドルポジション,ハイポジションでのコードを完全にマスターし,反射的に出て来るくらいにしなくてはならない(大脳で考えて分かるというのではなく,脊髄反射のように出て来なくてはならない).
また,取りあえず覚えるのは,メジャーコードとマイナーコードだけで良いものと判断した.セブンス や Sus4, Diminishコード等いろいろあるが,これらは後回しとすることにした.
覚えるコードの一覧を示す.
ローポジション,ミドルポジション,ハイポジション,これらそれぞれの,メジャー,マイナーコード,である.計6枚にまとめた.
思えば,フォークギターをやってコードを齧って(かじって)みたがあまり役に立たなかった,と述べた.これは,ミドル,ないし,ハイポジションのコードを勉強しなかったからである.
一つのこれが到達点である.全部で50個くらいあるが, これを1ヶ月くらいかけて,完璧にしたいと思っている.
図3 ローポジション メジャー・コード
図4 ローポジション マイナー・コード
図5 ミドルポジション メジャー・コード
図6 ミドルポジション マイナー・コード
図7 ハイポジション メジャー・コード
図8 ハイポジション マイナー・コード
コルドバ グラドルキビル川より大聖堂を望む
もうひとつの到達点・・・今ここ
平成28年3月30日現在
ローポジションのものはすぐに覚えられそうに思った.故に,ハイポジションから手をつけている.覚えている真っ最中にこの経過報告を書いている.
手の形を覚えるという他に,一音一音なんという音(音階)を弾いているかを,きちんと理解しながらやっている.手の形だけを覚えて終わりと言うことはしない.
すると,これが分からないのである.⑩フレットの4弦を弾いても,これが何と言う音か,理解するのにすごく時間がかかる.
また,暗記しようと思っても,なかなか暗記できない.このことは今まで何度か試したが,やはり暗記が出来ない.
でも今回はしっかりやろうと決意している.
まず,⑧フレットをセーハー(バレー)して,6弦からどんな音が出ているかを,暗記するよう務めた.何度も何度もやってみる.空でも考える.頭の中にギターの指板を思い浮かべ,やってみる.下から数えたり,上から数えたりしてやってみた.いや,今もやっている..
やっているとだんだん,早くなってきた.なんでも訓練である.
さらに,⑩フレットも同様の理解を目指している.⑩フレットは⑫フレットと近いのでやりやすい.でもすぐにパッと出て来るようにならなくてはいけない.
ハイポジションのマイナーの暗記を務めているが,簡単なものではない.全部で10個であるが,そう生易しいものではない.音階を一つ一つ言うのが困難だ.難しい.
図9 8から9フレットの各弦の音階
更に工夫.
⑨フレットの3番弦,4番弦の音は覚えてしまおうと思った.「シ」「ミ」である.「染み」か.これは,ギターのほぼ真ん中にある.言うなればギターの「臍」(へそ)である.
図10 「ギターの臍」を知った
この2つを覚えるだけで,グッと音階を知るのが楽になった.
待てよ,と.「ド」の音は全ての基準.ハイポジションでのこの位置も明らかにしたい(下図).
図11 ハイポジションにおける「ド」の位置. ドは基準点である.
更に,「シ」「ミ」.これらの右隣(高い方)の音もきちんと覚えよう.
「ド」は先ほどやったから.3番弦の「ファ」.
これで,島のようになった.なにか嬉しかった.これは,私にとって大きな進歩であるように思えた.
図12 ⑨フレット,⑩フレットの3,4番弦の音を覚えたい.
ここまで行くと,指板上の音階名当てが非常に楽になった.暗記作業が進む.
あと,いくつか「法則性」も分かって来た.理解が格段に進む.
この調子で頑張りたい.
法則性に関しては,また後で,書いてみたい.乞う ご期待.
平成28年3月30日
マドリッド フラメンコのショー
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