今日は 電子カルテの話題です。
電子カルテの最大の欠点は、患者情報をワープロで入力しなければならないということ。逆にこれが「読みやすい」という最大のメリットにもなるわけですが。
しかし、外来の現場では、ワープロは苦しいものだと思います。
現場は以下のような感じです。
80歳 男性 今まで膝が痛くてリハビリしていたのに、3ヶ月くらい来られなくて、久しぶりに来院。
患者「久しぶりに来ましたよ。実は私、入院していたのですよ」と仰る。
私「どのくらい入院していましたか」 とお尋ねすると、「2ヶ月くらい。肝臓の癌になったのだと」
私は紙のカルテなので、カルテに『肝癌で2ヶ月入院』と記載する。
私 「どこの病院にいつから入院していましたか」とお尋ねする。
患者 「市立病院に、えーっと、1月の20日から」と仰る。
カルテにさらに『1/20から 市立病院』と追加して記載。
私 「どんな治療をしましたか? 手術はしましたか』 とお尋ねする。
患者 「カメラでね」と言って、お腹を見せてくれた。2cmくらいの傷が2−3箇所ある。
確かに、カメラで腹腔鏡の手術をされたのだな、と確認できた。
カルテに、癌から矢印を引いて、『腹腔鏡OP』と記載。
私 「今は何か治療していますか」とお聞きする。
患者 「薬を飲んでいます。今度は・・・えっと、4月25日に行きます」と。
カルテに、『現在内服中 次回の外来
4/25』と追加記入。
紙カルテではこうなるし、何も問題はない。よくあることです。
紙カルテを使っている先生方ならこのように書くでしょう。
もっと上手に書かれる方もいらっしゃるかもしれないですが・・・
紙カルテを使っている先生方ならこのように書くでしょう。
もっと上手に書かれる方もいらっしゃるかもしれないですが・・・
しかし、これを電子カルテで書くとなると、ものすごく大変だと思います。
最終的には
「1月20日から2ヶ月市立病院に肝臓癌で入院。腹腔鏡を行った。現在、投薬で治療中。次回の市立病院の診察日は4月25日」
のようになる。
全部聞いてから書かなければならない。
きっとメモを取りながらでないといけない。
これは大変である。
故に、私が聞いたところでは、このような場合の電子カルテの書き方には3つのパターンがある。
1)このような箇所は、メモしておいたり、思い出しながら昼休みなどにきちんと書く。
2)単語だけ羅列しておく。
「2ヶ月入院 市立病院 肝癌 腹腔鏡 現在投薬 次回4月25日」のように。
まあ、分かります。
3)書かない 膝のリハビリをしている患者さんだし、直接関係ないみたいだから・・・
なかなか大変だと思う。
しかし、なるほど、
「1月20日から2ヶ月市立病院に肝臓癌で入院。腹腔鏡を行った。現在、投薬で治療中。次回の市立病院の診察日は4月25日」
のようにビシッと書かれていると、他の科のドクターがみても分かり易いであろう。
しかし、外来でこれをする、と言ったら大変な手間であろうね。
そこをどう考えるかであろう。
3)は、ないでしょう。
患者さんからお聞きしたことは全てカルテに書き留め、何かの時、ここぞ、と言った時に参考にする。このように先輩から習いました。
それで、救われることもある。
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