2017年3月31日金曜日

電子カルテ 真っ正直な意見1

電子カルテの話題です。

 先日、大きな病院の消化器内科の医師と電子カルテについて話をした。

 この病院は1年ほど前に電子カルテに移行した。

 この医師は私の同期生。学会活動にも積極的に取り組み、国際学会にも年に2回ほど参加して発表や講演をしている。

 この医師に直裁に電子カルテはどうか、とお尋ねした。

 彼が言うには・・・・・

 電子カルテは便利である、と。

 他科のカルテをすぐに見られるのが良い、と。

 検索がすぐに出来るのが良い、とのこと。

 彼は学会活動を積極的に行なっているので、すぐに検索できるのは非常に良い点であろうと思う。

【私の感想】
 まず、(1)他科の医師のカルテをすぐに見られる ということと、(2)検索が容易 というのは、紙カルテにはできない電子カルテの利点である。

 (1)の「他科の医師のカルテをすぐに見られる」であるが、私は整形外科医であるので、残念ながら、きっと他の科のカルテをたとえワープロで綺麗に書かれていても理解できないだろう。しかし、同じ整形外科のカルテなら、手書きでも読むことができる。

 彼は消化器内科の医師、つまり、内科医なので、内科のカルテを読むことができるのである。大きな病院では内科は、消化器、循環器、呼吸器、内分泌、糖尿病、腫瘍内科と多岐にわたるので、内科のドクターはたくさんの情報を診察室にいながらにして得られるのかもしれない。

 私が他科のカルテを見るとしたら、検査結果や入院をしていたら、退院時要約(サマリー)を見るであろう。退院時要約は患者さんのために平易に書かれている。

 (2)の検索であるが、これは、電子カルテにしなくてもレセコンで出来る。事務の人に頼んでおけばやってくれるであろう。
 ただ、彼のように学会活動をする人にとっては、夜に、電子カルテを操作し検索して、該当する患者さんのカルテをこれまたコンピューター上ですぐに見ることが出来る、というのは大きなメリットと感じられるであろう。

 紙カルテの場合は、まず事務の人に頼んで検索してもらい、該当したカルテを出してもらわなければならない。手間がかかる、と言えば手間がかかる。

【結論】
 電子カルテにも上記のようなメリットがあるが、ちょっと手間をかけると紙でも十分に出来ると思う。
 その患者さんの他科の情報を知りたければ、担当医に直接聞いても良いし、カルテを取り寄せると良いのである。
 結論としては、上記に挙げた2つのメリットはあるにせよ、やはり電子カルテには莫大な費用がかかる。
 また、電子カルテはワープロ入力が主となる。これがなかなか面倒であることは事実である。
 メリットからデメリットを差っ引いて、メリットがプラスになるとしたら、そのメリットは電子カルテの導入と運用にかかる莫大な金額に見合うのか、ということが私の結論である。


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