フリーアクセスの阻害を許すな
どこの医療機関でも保険証一枚でかかることができる,というのは我が国の医療制度の優れた点であることをご存知でしょうか.
どこの医療機関でもかかれる,と言う事を「フリーアクセス」と言います.
これを空気の様に当たり前,と考えている人は多いのでは.日本では空気の様に当たり前ですから.
しかし,外国では状況はまったく違います.このようなことは出来ません.
さて,しかし,残念ながら我が国でもこれを制限しようと言う動きがあります.昔からあったのですが,最近,また盛んに蠢動(しゅんどう:うごめく)し始めました.
かかりつけ医,というのを定め,そこ以外にかかる時には余分にお金がかかるようにする,という制度が政府内では提案されています.
事実上のフリーアクセスの制限です.この「かかるお金」をはじめは小額でも,あとで,大金にすれば,フリーアクセスの阻害は完成します.
我が国は残念ながら落ちぶれつつあります.
1995年に,日本の世界に占めるGDPは17%ありました.歴とした経済大国.このころ給料ももっとも高かったそうです.今はGDPは世界の5%.もう経済大国ではありません.給料も1995年の13%減.特に若者世代の減少がひどいそうです.若者は30 - 50%減.
しかし,幸福にもそのことをあまり実感出来ない人は意外と多いのかも知れません.
それは国民皆保険制度があるからだと思います.
我々はこれを手放してはいけません.これを手放したら,貧困が日本全体を普く覆うことになるでしょう.
先のフリーアクセスを阻害する動きはその一つです.あと,オブジーボなど巨額薬剤問題も生じていますが,これも始まったばかりです.(註:オブジーボ 肺癌の新型治療薬.小野薬品製造.この薬の治療を受けると,2500万円ほどかかる.1年間で発生する肺癌の患者数から推計すると2兆円超かかるとされている.医療費の大きな圧迫となる)
国民皆保険制度を守る,守らない,は完全に政治マター(政治の問題)です.政府が「守るのだ」というしっかりとした信念をもって政治に取り組めばこの先も守られるでしょう.しかし,どこかの首相の様に「国民皆保険制度を守る」ということが空念仏で,TPPなどの国民の害毒となるような条約批准に邁進するようではどうなるのでしょう.もう風前の灯火のように思えます.
こんな無責任な政府では,国民皆保険なんて,もう終わりになるのかも知れません.
しかし,もう一度,もう最後かも知れませんが,「国民皆保険を死守せよ」と,このことを声を大にして政府中枢に申し伝えなければならないと思います.
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